とある科学の迎撃日記(パトブログ)

パトリオット(dj patriot)が気が向いた時に綴るブログです。

割れ音源でDJすることについての是非について。

はいどうも、イリーガルな音楽の虜になってから9年近く経っているパトリオットです。相変わらず毎日のように同人音楽をdigっています!来年は同人音楽歴10年目になるのかあ..........。

それにしても9月も半ばだと言うのにまだまだ暑い!早く涼しくなってくれ〜。

 

 

はい、そんな訳で早速本題に入って行きたいと思うのだが、今回はタイトルにもあるように、ちょっと割れ音源でDJする行為について考えていきたいと思う。

Twitter上では、MOGRA(秋葉原にある箱)で開催されたイベントで割れ音源でDJしてしまったが故に炎上してしまったユーザーがおり、今日は1日中TLが割れ行為についての話題一色だった。

今までにもDJ界隈では割れ音源の是非について議論が行われてきたが、今回は特に盛り上がった(?)と感じたので今更ながらに記事として書き起こしておこうかなあ、と。

これはDJ界隈、並びに同人文化にドップリと身を浸している1人の人間として、色々と考えさせられるような問題であり、また俺のライフスタイルにも直結する問題でもあり、元から著作権周りのことに関しては特に関心のあるトピックであった為、一度改めてここで色々と考え直してみようかなあ、と思って今日記事を書いてみようという気持ちにまで至った。記憶が新しい内に書いた方が良いからね。

それでは興味のある方だけお付き合い下さい!

※J-CORE界隈中心の視点に立ってしまうかも知れんがごめんなさい。もしかしたら他のDJ界隈とは価値観とかが大分違うかも。

 

 

そもそも割れ音源とは?

先ず最初に割れ音源とは何か?

それは簡単に説明すると、正規のルートで購入したものではなく、ファイル共有ソフトなどを用いたり、YouTube等からソフトを使ってダウンロードした音源のこと。「割れ」の語源は、違法コピーされたソフトウェアを意味する"Warez"(ウェアーズ/ワレズ)から来ている。YouTube等の動画サイトからファイルを落とす行為は、"割れ"以外にも"ぶっこ抜き"と呼称されることもある。

言うまでもなく割れ行為は犯罪であり、ネットにファイルをアップロードするのもダウンロードするのも法律で禁じられている。

ただ、俺の属している界隈とは切っても切り離せないモノのようにも思える。

発端

発端となったのはこちらのツイート。

 

 

 

要約すると

・DJで使用した割れ音源は数曲程度

・彼はまだ18歳で、初の現場だった(つまり初回のミス)

・悪気はなく、ただ純粋に皆と盛り上がりたかった

・金銭面に余裕がなかった

・本当に申し訳なかったと思っている

 

と、非常に低姿勢で誠意のある謝罪を一連のツイートでしており、俺は純粋に「割れはいけないことだけど、心を入れ替えてこれからまた頑張って欲しい」と思った。

では、皆の反応はどうだったのか?

 

皆の反応

それでは皆の反応を某まとめブログ風にザックリとまとめていく。

と言うかツイートの文章をそのまま載せていく。編集が面倒臭いからw

 

割れ音源を使うのは良くないことだけど、18歳のDJの人をボコボコに叩いて追放するより、そういうのは良くないからやめてちゃんと音源買って頑張ろう!って諭す方がかっこいいのでは。
自分たちの居場所を守りたくて取る行動がSNSでボコボコに叩く、というのはちょっと変。

割れ音源流しちゃったDJの子に対して、自分がただ話題に乗っかりたいからって
常識を超えて侮辱的な発言をしたりバカにしたりネタツイをしている大人の人達、正直割れ音源流しちゃった18歳の子よりも常識に問題があると思うよ やめましょうよそういうの本当に

かつてアニクラの一部remix界隈には、アニメ放送開始直後にシングルが発売されていない段階でテレビサイズのオープニング曲をぶっこ抜いてbootlegを作り最速でアップすることを競うムーブメントがあったと思うんですよね。割れ音源のことを考える時にいつもここにぶち当たります。

割れ音源DJで炎上するその潔癖さが、カルチャーが発展拡大しない理由です。

割れ音源叩いてるDJのみなさんはもちろん違法アップロードされたAVやエロ漫画を見て抜いたりしてはいないとは思うのですが…(勿論皮肉)

違法と倫理の尺度を一つのモノサシで0-100で叩く人がTwitterで多い印象だけど、コンテンツに対して全てを法に基づいて潰しても、全てを個人の倫理尺度に基づいて潰しても、クラブも世界もどんどんつまらなくなるので難しい。でもみんなで思考を続けるしかない。とは常々思ってる。

割れ音源使うのはやめようね!というのはごもっともであるが、
私は過去に、ちゃんとした手段で手に入れた音源なのに、「それが音源として出回った事がある」ということを知らない人が勝手に割れ音源使ったでしょとか言われたことがあるので、割れ音源警察行為をするのもお勧めしないどす

別に深くつっこむつもりはないけど利益を考えてるなら割れ音源と駿河屋やメルカリで買ったCDの音源って変わらないじゃん
つまりみんな廃盤をbandcampでデジタル売りましょう

初心者向けの公募イベントに出た若い子が何もわからず使っちゃってちゃんとごめんなさいって言ってんだから関係ない人がそれ以上のことわーわー言うのは野暮ですよ

 

↑このように、着眼点は人それぞれ違えど彼を擁護する人が圧倒的に多いような印象を受けた。この中にはTL上に流れてきたツイートと検索して拾ったツイートの両方が含まれているので、公平なんじゃないかなあ、と。

因みに一番下のはMOGRAの店長さんのツイートだ。

彼に対する批判も幾つか見受けられたが、現段階で削除されていたり、見つからないツイートが多いのでここでは敢えて取り上げない。

 

これらの反応を見れば分かる通り、この割れ音源問題には様々な事情が絡みあっており、かなり複雑な問題なのではないかと思える。

上記に挙げていないツイートも含めて(擁護派も批判者も)、

 

・割れ音源を使用しているということは作曲者に利益を還元していない

割れ厨は作曲者に対してのリスペクトの精神が欠けている

・割ると音質が下がる

 

・利益云々言うんなら廃盤になっているCD等は普通に割っても良いんじゃね?

・正規の音源なのに音質が酷いことだってあるよ?(割れ警察による冤罪が生まれる)

・そもそも割れを叩いてる人は違法視聴とかしたことないの?

・今のご時世、割ったことのない人の方が稀でしょ

・割れとか以前にアニリミとかブレイクコアとかも著作権侵害してるよね

・そもそもDJ自体がグレー

・なんでDJのことばっか槍玉に挙げてVJについては全く言及しないの?

・歌い手の音源をぶっこ抜くのはセーフ?アウト?

 

このように本当に色んな立場、色んな視点の人がごっちゃになっているのですぐに結論を出すのはとても難しいと思う。

それでも、このブログを通して皆の意見と俺の主観を交えつつちょっとでも解決に導けたら良いなと。

 

割れ音源でDJする行為は何も問題がないのか?

先ず俺の意見だが、結論から言うと音源を割る行為は基本的に悪い行為だと思っている。法的にも倫理的にも。どんな音源かにも依るが、やっぱりお金を作曲者に払えるのであれば払わなければダメだ。割れ音源は基本的に盗品と変わらないので、そんな曲でDJしたいとは俺は思わない。そういう気持ちのDJは俺以外にも沢山いるだろう。

ただ、"割れ音源DJ"という括りでならば炎上したこめっと氏を批判できる人は沢山いるかも知れないが、著作権侵害という括りで見たらきっと殆どの人が批判できないのではないかと思う。俺は正直、割れ音源でDJしたことさえなければこめっと氏を叩ける立場にあるとは思わない。DJに限定せず、"著作権"という大きな括りで考えていくべきだと俺は思うのだ。だってDJ含むアーティストにとって著作権は無視できない存在なのだから。

そもそも皆は今までに一度もアニメやAV等の無断転載のコンテンツを閲覧したりしたことはないのか?俺はこのご時世、ない人の方が珍しいように思える。

ぶっちゃけ俺も昔はYouTubeから音源を抜いたりしたこともあったし、未だにエロ画像やらAVの無断転載を視聴することもある。(クレジットカードを持つようになってからは購入することが増えたが)

そういうことをしてる・或いはしてきた癖に割れ音源DJだけを槍玉に挙げるのは、些かダブルスタンダードではないかと思うのだ。やはり人のことをとやかく言う前に先ずは己の身を鑑みなければならない。

 

時代が進むにつれ、技術は進歩し、それに伴い人々の価値観も変わってくる。

著作権著作権とは言うが、コピペやら画像保存機能から始まり、スマホのスクショ・撮影機能、そしてファイル共有ソフトやぶっこ抜きソフトの普及、etc.............

これだけ科学が発達した現代に於いて、旧来のような姿勢で知的財産について考えることがもう無理なのではないか?

一応、例えばアニメなんかを観ていても「ネット上へのアップロードは法律で禁じられています」等とテロップが出てきたりするが、それを書いたところでやる奴はやるし、せいぜい違法アップロードされた動画が削除される程度で何か厳しく罰せられたとかの話もあまり聞かないし、本気で著作権侵害を取り締まりたいのであれば先ずはそういった「技術」そのものを潰さなければいけないように思える。

 

で、じゃあ技術は潰せるのか?という話になるんだが..........

これは何にでも言えることだが、一度世に出たモノは簡単には消えない。

例えば、N-Wordのような差別用語を使用することを法律で禁止し、この世からこの単語を消そうと頑張ったところで消えることはない。N-Wordをリリックに使用している昔のHIPHOPのアルバムをたまたま見つけて知る人がいるかも知れない。

また、憲法第9条にもある通り、戦争は現代に於いて禁止されており、戦争を体験したことのない人が世の中には沢山いるが(今ロシアとウクライナがやっちゃってるけど)、それでも後世に語り継ごうとする人がいる。(ただ、これに関しては一概に悪いことだと断言はできない)

銃でも核兵器でも、料理のレシピでも車の製造法でも、なんでもそう。一度でも世に出てしまったモノは先ず消えることはないだろう。

当時の"記録"がこの世のどこかに残っている限り、必ずそれを掘り返す者が現れる。また、当時を生きてきた人の"証言"によって掘り返されることもある。

そう考えると、今皆が使っている機能やソフト等の技術も、一時的に世の中から消せたとしてもすぐに復活するような気がしてならない。

これではいたちごっこなので、やはり著作権について再考し、法整備しなくてはならないのでは?と俺は思う。

今挙げた"技術"に限らず、DJやブートレグ、新しい音楽のシーン等何にでも言えるが、やはり皆が築き上げてきた文化を壊してしまうのは非常に勿体無いことなので、それらを潰そうと画策するのではなく、それらに対する見方を変え、価値観をアップデートしていくべきではなかろうか。

 

考えてみれば、いつの時代も新参者は警戒の対象だ。ロックはぽっと出の頃は悪魔の音楽だと批判されていたし、HIPHOPだって黎明期は危険視されていた。今は俺らの界隈でHyperflip(dariacore)なんてシーンが流行っていたりするが...........まあ、そういった新しい芽をすぐに摘もうとするのではなく、理解を深めた上で試行錯誤していくのがベストなんじゃないか?

俺は、誰かの不利益や悲しみの上に成り立っていない文化や技術は極力許容されるべきだと思っているので、そういった著作権法に反しているコンテンツもある程度は受け入れて欲しいと感じている。

尤も、少しずつ体制を整えていかなければ受け入れられることは難しいので、とにかく試行錯誤して行きましょう、という気持ち。

 

まとめ

..........長々と語ってしまって上手くまとめられなくなってしまったが、俺はDJを本格的に始めてからは1度も割ったことがない。クリエイターさんには極力お金を落としたいと思っているので、廃盤になっていなければ普通に新品を買うし、NYPでも僅かにお金を落とすし、なんなら廃盤になってる音源で割れる状態にあったとしても中古のCDの方を買っちゃうくらい。

でもこれはあくまでも俺の拘りであって、それを他人に押し付けるのは違うのかな?と今回の件で皆の反応を見ていてふと思った。やはり多様性は大事だ。

思えば俺だって昔から「犯罪が必ずしも悪とは限らない」という持論を掲げていたし、あくまでも俺が著作権(と言うか利益還元の話なので実際は窃盗とかの部類だが)に関して遵守しなければならないという意識を持っていただけの話。例えば俺は大麻取締法やら一部の道交法やらに関しては「これ悪法なのでは」と思っていたりする。そもそも犯罪行為と言っても、悪法か否かに限らずそこに至るまでの過程が重要なのであって、結果だけを見て非難するのは違うよね。

そして勿論、大麻取締法やらについて「いやそれは大事だろ」って思ってる人だっている訳でして。人によって価値観は違う。

 

 

いや〜〜〜本当はもっともっともっと、

 

「廃盤になってる作品なら割っても良いのか」

「歌い手の動画をぶっこ抜くことの是非」

ブートレグや違法サンプリング楽曲の存在について」

 

とかについても深く掘り下げたかったんだけど、この時点で既に5000字を超えてしまっており、更に言及するとなると余裕で1万、いや2万字とか行きそうなので今日はこの辺で。

 

やはり我々はもっとフレキシブルになり、価値観を常にアップデートしていかないとな、と感じた1日でした。

後、同じコミュニティに属してるなら、少なくともそのコミュニティに対する価値観はある程度統一しておいた方が良いのかな?とか思ったり。勿論、価値観が正反対でも口に出さなければ争いは起こらないが。

それにしてもマジで複雑だよこの問題..............

とにかく俺は他人の割れ行為にはもう少し寛容になろうかな、と思いました。俺だって音源こそ割ってはいないものの、DJ MIXを収録したCDRを頒布したり、違法サンプリングした楽曲をネットに公開したりしてるしね。人のこと全然言えない訳で。

ただ、現時点ではそういうことはコッソリとやるべきだとは思う。

それから、お金に余裕がある人は割れは極力控えるべきだし、低所得者とか貧困な人でも、出せる分はなるべく出した方が良いかと。いくら文化的功績があるとは言え、やっぱり悪いことには変わりないので、、、

やっぱりクリエイターさんにお金が行かなくなるのも問題だ。

ここら辺の塩梅、難しいよな〜。

 

 

ではまた。

このトピックに関心を持ってる方は是非コメントでご意見をお聞かせ下さい!

またいつかこの議題については記事を書くと思います。